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総務教育常任委員会の行政事務調査のレポート

 10月25日、26日に行われた委員会行政事務調査の調査報告書を、委員長が作成するため、調査参加各委員が委員長あて11月12日までにレポートを提出しています。
 杉村宏議員が提出した内容は、以下のとおりです。(遅くなり申し訳ありません。)


 総務教育常任委員会行政調査視察レポート(委員長提出用)杉村議員

 平成30年10月25日(木)より2日間、山口市、大崎上島町において行政調査した視察レポートは次のとおりです。

山口市
 山口市は、21の地域に分けられ、その内、2つの都市核と4つの地域核が、交通を含めた拠点となっていた。面積が1,023kmと広く、20万人弱の人口で、多核分散型、また、非効率な都市構造とされている。また、岩美町と同じく都市計画の非線引きであり、都市が不規則に広がっているスプロール化がみられ、強いマイカー依存と説明された。
 そうした中で、平成17年3月に市の交通局が運行していた市営バスを財政負担の限界から廃止したため、移動手段のない地域から不公平感があり、一部の地域に運行していたコミュニティバスを、他地域にも運行することとした。コミュニティバスは、未だ実証実験中の位置付けだ。また、市の補助や各種の割引を市が補填するコミュニティタクシーも導入した。さらに、グループタクシーとして、一般タクシーを、利用券交付し共同利用している。将来は、自家用有償運行も検討したいが、安全性や持続性に懸念がある。また、スクールバス、生活バス、通院バスの同時運行もあり、混乗も課題と説明された。
 市が負担するバス関係の支出は、民間路線バス(防長交通)への補助金1億9000万円、コミュニティバス5400万円、コミュニティタクシー3555万円、グループタクシー550万円であり、さらにスクールバスや通院バスも運行されている。説明者からは、それらにおける交付税措置は不明であるとのことだった。
 7割の市民が1年に1回もバスに乗っていない。県庁所在都市などのなかでガソリン消費量が全国1位の現状を踏まえ、マイカーに頼り過ぎない交通の計画を策定されるようだった。

 印象として、市全体の交通の把握が難しいと感じた。都市整備部が受け持つ生活バスやタクシー利用のみではなく、スクールバスや通院バスがあり、さらにはそれらの財源としての交付税の措置を把握することは、政策決定にあたり市の一般財源を投入する判断に少なからず影響があるものと考える。

以上を踏まえて
① 岩美町の取り組みが優れていると思うこと
 当町は、岩美駅を拠点とした1極集中的であり、そこから圏域中心都市である鳥取市との移動が中心の交通であることから、山口市ほどの複雑さはない。そのうえで、廃止代替バスとして自家用車両の運行を実施しており、その財源も明らかにしており、主権者からの不満は特段ないと考えている。
② 岩美町の取り組みに問題があると思うこと
 説明の中で「車は、這ってでも乗れる。バスは30m以上歩けなければ乗れない。」とあった。バス以外の移動手段も、高齢化が進む中で検討したい。
③ 今後、岩美町がどう取り組むべきか
 岩美駅のタクシー運行は午後7時前には終了している。タクシーにおいても自家用車での有償運行が模索してみたい。


大崎上島町
 この町は、広島県内では橋でつながっていない唯一の離島の町で、人口7600人余りだ。しかし、東洋一の亜鉛精錬業があり、一般会計68億円余りの予算規模のうち、町税は18億9000万円程と、当町との比較で、予算規模は同等ながらも町税に関しては倍近くある。
 町内にある県立大崎海星高校の存続のため、3点の魅力化に力を入れ、生徒数が2015年63人だったところ、2018年101人と、大幅増となり成果を上げている。
無料の町営塾を開設し、生徒の学習環境を整え、大学進学を目指し島外へ進学していた中学生の選択肢としていただいたことが、最も効果があった点だと受け止めた。保護者にしても中学生本人にしても、島外への通学や生活は大きな負担となる。それが身近な島内で、それなりの学習環境があるのであれば選択肢として大きくなる。説明でも、これがメインであると言われていた。大崎上島中学校から県立大崎海星高校へ進学率は36%から61%に跳ね上がり、町営塾生数は増加している。
 生徒の全国募集や、通学圏外生を引き受ける教育寮の整備の2点については、離島である環境の特殊性や、だからこその優位性をPRできる体制を整備したもので、島外の保護者や中学生本人に対して一定の魅力化が図れたが、あくまでプラスアルファとの説明であった。
また、この町にとって、この島において、14億7200万円もの巨費と、84,800m2もの土地の無償提供により県立中高一貫校が平成31年4月に開校される。全寮制であることや、教職員等の移住が見込まれ、大きな影響を、教育の町構想を持つ大崎上島町や町民の皆様に与えると感じた。

以上を踏まえて
① 岩美町の取り組みが優れていると思うこと
 残念ながら、当町のほうが優れているとする取り組みは、よくわからない。
② 岩美町の取り組みに問題があると思うこと
 保護者や中学生本人の立場をもっと理解する必要があると思う。大崎上島町が、離島であり島外への通学や生活は大きな負担であるほどには、岩美町から鳥取市内への通学は受け止められていない。町民の皆様も、鳥取市内への通勤通学を、高規格道路の開通もあり、それほど困難であるとは考えていない。
 しかし、町内移動を行った上で市内への通学は、クラブ活動への時間的制約もあり、生徒にかける負担は相当にあると思う。
 町立岩美中学校から、県立岩美高校への進学率を上げることが、岩美高存続のためのメインの対策だと考える。そのためには、やはり、学習環境を整えることに、町がより関わることにより、効果が現れると考える。
③ 今後、岩美町がどう取り組むべきか
 県教委や岩美高校ともよく協議して、学習環境の向上を模索してみたい。

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