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 平成31年2月6日(水)午前10時から2時間半ほど、岩美町議会の議会運営委員会(委員4名+正副議長)が開催されました。
(日付は開催日としています。HPに掲載したのは平成31年2月9日です。)
 ここに掲載した案件は、3件です。

 以下は、杉村宏議員の主な案件ごとの意見等の主なものです。(ここでは、一部捕捉しています)
(委員会の詳細を知るためには、議会事務局が作成される会議録を情報公開請求により取得する方法しか、現在の岩美町議会ではありません。)

〇各種事業地元(受益者)負担率の変更手続きについて
町長から
「議会に相談するタイミングについて悩んでいる。職員の検討である負担審議会の検討結果が出てから議会に相談するのがいいのか、それとも、負担審議会の検討結果を行政改革推進委員会に見てもらって、その意見が出てからのほうがいいのか。」と言われたことから、
 この度、議会運営委員会に、この負担率の変更手続きについてが、審査事項となったとのことでした。

 杉村宏委員は、当然に後であると発言しました。
  後とする意見は、4人=杉村委員、寺垣副委員長、足立議長、柳副議長
  前とする意見は、2人=田中委員長、澤委員
 でした。

 杉村宏委員が、あとであるとした理由
 岩美町において、副町長を首班とし、職員で構成される各種事業地元負担審議会で、標記の負担率が検討されています。負担率とは、町民全体の負担である公費を投入する割合と、具体的な事業の実施により直接、受益を受ける者の負担する割合を示します。
 具体例としては、農地や水路などの農業用施設が被災し、その復旧費用は、国や県と町が負担しますが、町が負担する額の1割を、その復旧事業を実施することにより受益を受ける農地の所有者等に負担してもらっていますが、その1割が妥当なのかどうかを、負担審議会で検討します。
(その他の具体例で、バス待合所、ごみ集積場改善事業、街路灯の公共以外、急傾斜地崩壊防止事業、消火栓新設などは町5割、地元5割。単町事業の町道改良費は町7割、地元3割です。)
 職員間で検討した結果を、町長に報告し、町長がその検討結果を良とするならば、その内容により、予算案が作られ、予算審査の中で、議会議員が意見を述べることは可能です。
 その負担率が、職員の検討だけでは、民意の吸い上げが不足すると首長である岩美町長が判断した場合、何らかの民意を聞くことがあり、現在は、町民の方など構成する岩美町行政改革推進委員会の意見を聞いているようです。
 町執行部の外の審議会や、この度意見を聞いているとされている委員会の位置付けとして、辞書には、 審議会とは「行政機関が政策立案などについて、学識経験者や利害関係者の意見を反映させるために設置する合議制の諮問機関」であるとされています。
 なぜ、そのような諮問を行おうとするのかについては、行政は民意に沿い政策を実行しようとしますが、民意の反映である選挙結果の首長は一人だけであることから、首長や行政は、学識や利害を含めた判断を求め、民意に沿うような判断にしようとする。
 しかし、当然のこととして、諮問して答申があっても、答申どおりに議会に提案するかどうかは、首長の政治判断となります。
 その後、首長の判断結果を、議会に議案として提出されれば、各議員はそれぞれの信条、知識等に従い、議決権の行使や意見を述べる。首長一人のみの民意より、複数で構成する議会のほうが民意に近いとする議会制民主主義のもとで、岩美町で言えば岩美町議会が唯一の議決機関となり、議決されれば、それが岩美町の民意であるとされます。
 要約すると、各種の審議会などで、行政に意見を提出したり、答申されたものは、まず、首長が政治判断し、その後に、議会議員が政治判断する。その結果を、議会制民主主義の結論として住民に示すことができることとなるものだと考えています。
 したがいまして、審議会等で検討されたものは、議会が意見を言えないとする発言が執行部側からあったようですが、これは議会制民主主義を軽んじていることとなります。

 この度の、町長の申し出を、具体的に言えば、岩美町において、副町長を首班とする各種事業地元負担審議会で、町民全体の負担である公費を投入する割合と、事業実施における受益者の負担する割合を、検討し、その検討結果を、町執行部外の委員会等(審議会でも、委員会でも、名称は特段の問題ではありません。)の意見を踏まえて、町長に報告し、町長がその検討結果を良とするならば、その内容を、岩美町の方針を決めることのできる唯一の機関である岩美町議会と協議し、予算案の金額などを通じて、議会議員の判断を仰ぐ。したがって、当然に、後となります。

 また、特別職等の報酬審議会で、特別職の報酬のあり方を、住民代表のような、民意に相似する立場の方々に検討していただき、その答申があった時、首長である岩美町長は、その答申内容が、適切であると政治判断すれば、条例改正を、議会に提案します。
 提案された議会は、議員それぞれの信条、知識等に従い、議決権を行使します。審議会に答申したから、当然に、議員は同意するべきだとする姿勢は、同じように、議会制民主主義を軽んじていることとなります。
 答申に、議会議員の報酬が含まれていても、同様に、各議員は、それぞれの信条、知識等に従い、議決権を行使するだけです。諮問したからその答申に異議を申し述べることは差し控えるべきだとする主張は、先の執行部側からの発言と同様で、議会制民主主義を軽んじていることとなります。

〇公文書開示請求に対する対応
 議会事務局長より
「議会に会議録を、情報公開請求により、従来から開示してきた。そして、昨今の、SNSやインターネットの普及で、開示された、議会の会議録をHP等に掲載することも考えられ、そのような請求もある。県議長会に問い合わせたところ、HPに掲載する目的でも、開示を拒むことは難しいとあった。どういった対応がいいか。」とありました。

杉村宏委員としては
「昨年9月頃の当委員会の中で、岩美町議会の各種委員会等の会議録は町HP等に公開し、情報提供すべきだと発言している。それについて、前回の当委員会でも申しあげたが、たなざらしのまま捨て置かれている。なぜ、この委員会で議論しないのか理解できない。
 鳥取県議会は、各委員会等の会議録をHPに掲載している。議会運営委員会のインターネット中継をし、議会の公開度を高める改革を試みている。当然の対応だと思う。
 岩美町議会の会議の内容を広報することは、本来、岩美町議会自らが積極的に行うべきことであり、岩美町議会ができていないことを、私費で行っていただけるなら、歓迎すべきであり、ありがたいことだ。
 各議員は、今、この時も、過去も、政治生命をかけて、各委員会や本会議などで、真剣に議論している。その発言の責任は、当然に負う自覚をもっているものだ。その珠玉の発言を岩美町議会は、本会議以外、公開していない。
 公開することは何の問題もない。問題は、開示請求に対し慎重な姿勢を取ろうとする岩美町議会にある。

〇不祥事が続く町行政への議会の対応について
委員長から
「昨年来、町行政で不祥事が続いている。議会として、100条委員会までは考えていないが、地方自治法の96条を根拠とした調査を行いたい。意見を聞きたい。」
とありましたので、

杉村宏委員としては
「2月4日のNHK放送の中で、懲戒処分も含める発言があったと聞いた。今後の、行政の政治判断を受けて、その後に判断したい。」
と述べました。


 平成31年2月4日午前10時から、全員協議会をはさんで、午後4時前まで、岩美町議会の総務教育常任委員会(議員6名)が開催されました。

 以下は、杉村宏議員の主な案件ごとの質疑等の一部です。(ここでは、一部捕捉しています)
(常任委員会の詳細を知るためには、議会事務局が作成される会議録を情報公開請求により取得する方法しか、現在の岩美町議会ではありません。)

〇東浜レストラン「アルマーレ」について
 商工観光課 「アルマーレ」は入込人数が年間1万3千人を超える施設で、観光情報発信基地としての役割もある。情報発信担当のホールマネージャーの人件費300万円を平成31年度から補助したい。
 杉村宏委員「アルマーレの経営主体は、あくまでも株式会社東浜であるとして、同社が引き続きがんばられる意向なら、賛成する。」

〇平成30年度岩美町事業所・企業調査について
 商工観光課 「町内事業所の実態を把握し、課題を明らかにするため、町内全事業所の273を対象にして調査し257から回答を得た。」
 杉村宏委員「廃業予定も沢山ある。また、予定している後継者は、従業員や役員のおられる組織は7%ほどで、残りは全て、子か親族だ。後継者の問題を、家庭内の問題に留めては、進展がない。それだからこその現状だ。商工会や、金融界はどう考えておられるか。共に連携して進めていただきたい。」

 議論の中で、
 町内事業所の、とくに飲食・宿泊業の状況を踏まえて
 議長から「昨年の各課の忘年会を実施したのは、市内か町内か、教えて欲しい。」とあり、
 市内開催は「教育委員会、総務課、企画財政課、税務課」で
 町内開催は「商工観光課」でありました。
 これを受けて、議長から「職員は、言っていることとやっていることが違う。町内業者を大事にしたいと言いながら、自らは町外に行って消費している。おかしくないか。」とありました。

 杉村宏委員は、この間沈黙していました。
 議長の言われたいことは、あまりに、当たり前のことであります。
 しかし、岩美町議会主導の懇親会を、年2回(3月、12月)に開催していますが、前期4年間に鳥取市内で開催されたことが、半分ほどあります。開催場所は、議会運営委員会が実質的に決定していたことから、杉村宏議員としては、市内開催に反対してきましたが、前期議員の賛同はありませんでした。
(参考 平成30年5月22日発行の「モルゲンロート‐7」P7)
 どうして、町内業者を応援する姿勢を示すためにも、懇親会等を町内で開催しないのでしょう。市内に行きたければ、その後か、別の日にでも自由に行かれればいい。
 そのような岩美町議会の実態でありますので、職員の方々に対して町内開催すべきと意見を述べる前に、岩美町議会が主導する懇親会は、町内で行うことを、全員協議会で、各議員の意見を述べていただいたうえで、合意したい。そう考えていたところから、議長が、力を入れて発言なされているときは、沈黙しておりました。次回の全員協議会で発言したいと考えています。

 平成31年2月4日午後1時から2時半頃まで、岩美町議会の全員協議会(議員12名)が開催され、協議事項として、「介護保険料に係る不適切な事務処理について」などが協議されました。

(本会議や全員協議会、常任委員会等に、説明資料として提出される文書は、各議員に会議開催3日前に配布されますが、議員と主権者の知る権利は同じであることから、主権者にも同時に開示すべきと、杉村宏議員は以前から本会議や議会運営委員会などで主張していますが、岩美町執行部や他議員の賛同はありませんので、岩美町では、今のところ、主権者等の方が、説明資料を見るためには、公文書開示請求をするか、資料の保有をしている議員から見せてもらうかしかありません。なお、杉村宏議員は、上記の解釈でありますので(町議会議員と町民の知る権利は同じ)、秘密会となった会議以外の資料について、ご希望があれば、今回の資料のみではなく、以前のものでも見ていただければと考えています。)

「介護保険料に係る不適切な事務処理について」の概要等
 平成27年度以降の介護保険料に係る事務について、賦課・徴収されていなかったものや、還付されていなかったものがあるなど、適切に事務が行われていなかった。
   賦課・納付・還付(時効分を除く) 73人 787,300円
   還付               88人 899,600円
   年金局への返納           7件  80,100円

 その原因は、賦課・更生事務や口座振替事務を怠り、還付事務も漏れがあったとして、その判明は、担当者が休みがちになり、事務処理が進まないことから、介護保険を担当する係内で共同して処理していたところ一部判明し、平成30年12月から徐々に全容が解ってきて、平成31年2月1日の議会の担当常任委員会に対応を協議し、3日後の本日、ことの重大性から、異例ではあるが、急遽、全員協議会を開催し、協議した。

 以下は、杉村宏議員の質疑等の主なものです。(ここでは、一部捕捉しています)
(全員協議会の詳細を知るためには、議会事務局が作成される会議録を情報公開請求により取得する方法しか、現在の岩美町議会ではありません。)

〇事務処理を怠っていたことが原因であると説明されたが、怠っていることを知っていて放置したのか、それとも、知らなくて未処理だったのか。
→健康長寿課長「担当者が、未だ休んでおり、確認できない。」

〇平成29年度に、保険料収納の誤消込として、入金を確認せずに消込とあるが、理解できない。入っていないのに、消込すれば、決算などで、現金と収納額とが突合しない。そのことがなぜ、その年度末や、現在まで誰も気づかないままになっているのか。
→健康長寿課長「決算書の数字は、消込しないままの未収金となっているが、介護保険の収納システムでは消し込まれている。両システムは連動しないので、人が確認するしかない。また、その確認は、出納室などではできなくて、介護保険担当の健康長寿課しかできない。その確認を、課としても怠っていた。」

〇再発防止策として、個々の業務や確認作業の実施状況の確認を毎月月末に課長が行うとあるが、全体を概観して過去、現在、将来を見据えて行政を進めていかなければならない管理職員が、できるのか。課長は、大事な数字を確認し、それがおかしければ、どこかが間違っているというような、確認を行えばいいのではないか。」
→健康長寿課長「この度のことを受けて、しっかりとした事務処理を行っていきたい。」

〇軽微な交通事故でも、発生させてしまった職員の氏名などは、説明資料に明記される。町役場の仕事は公共性が高く、使命感をもって働いていただくべきだ。そして、あやまちは誰にでもある、それを糧にして今後も進んでいただくべきで、心機一転して町民のために働いていただきたい。曖昧にすれば、本人のためにならない。その意味でも、事務処理を怠っていたとする職員の氏名は示すべきだ。」
→町長「基本的には、隠すことではない。そして、この件は大きな案件だ。しかし、若い職員であり、将来を考えて、氏名を出さないほうがいいと考えている。」
→議長「氏名は、伏せたまま進めさせていただきます。」

平成31年2月1日付けで、岩美町議会全員協議会の開催通知がありました。

協議事項は1件で、介護保険料に係る不適切な事務処理についてです。

開催後に、概略をお伝えしようと考えています。