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「制裁は逆効果か」没原稿

 以下は、1カ月前に新聞投稿し、本日現在のところ掲載がありませんので、没になったと思われるものです。


題「制裁は逆効果か」

 ロシア産石油の買手の言い値では安く、中東産石油の売手の言い値では高く。安く買っているのは誰で、高く買っているのは・・・私です。そんなことかな。

 ロシアのアジア向け油種エスポ1バレル94ドル、アジアの指標とされるドバイ原油114ドル、年初の価格差は数ドルだったと報道されていた。では、割安の原油価格で輸出しているロシアの石油輸出収入は減っているのか。否。IEAによると1~4月の前年同期比で5割増とも記載されていた。それは、西側諸国がロシア産の封じ込めをし、代替を中東等の産油国に求め、限られた産出量の奪い合いで国際指標の北海ブレンド原油やアジア指標のドバイ原油が高値となり、その高値から比べれば割安とは言え、ロシアの原油もいい価格で中国・インドなどへ輸出できているからだ。

 これでは制裁の実効性は逆効果なのか。そもそも、資源輸出の制裁は、石油産出ビッグ3のロシアに対して、その輸出量が大きく、代替先が速やかには確保できなかったことから、侵攻から100日を経過した今の段階では、科さないほうが結果的にはロシアの収入は増えていなかったのではないか。少なくとも5割増にはなっていなかったと思う。この5割増は、この間の、そして短期的なロシアの戦費を確実に支える。

 侵攻当時、欧州が石油等の禁輸を行うべきとの論調が新聞各紙に踊っていた。ロシアと欧州間ではそうでも、世界全体を見据えた視点ではなかったと思う。制裁に加わる国は世界の4分の1だそうだ。中国・インドなどにもそれぞれの事情や思惑がある。

 高騰している原油高は、日本における諸々の物価高の要因のひとつだ。高い原油を買っているのは税負担部分も含めて私になります。

(文字数は、699文字です。)


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