以下は、1カ月前に新聞投稿し、本日現在のところ掲載がありませんので、没になったと思われるものです。
題「配られたカード。」
コロポックルを助けた男が願いを一つ叶えてもらい、死ぬまでの米として五俵もらった。それだけかと落胆したが、それで丁度だった。そんな話を思い出した。
「30年後には大量の石油がありながら買い手がいなくなる。」20年前にサウジの石油相が言ったようだ。あと10年程。現に今年4月、原油先物価格は、瞬間的で特異的だったが、史上初めてマイナスを経験した。
資源保有国の立場からして、何時が、資産価値が低下する見込みの資源を盾としたカードを切るのが最も効果的なのか。ロシアはカードを切ってそろそろ3カ月になる。
中東産油国も事情は同じ。地下資源に頼る経済構造の変革とまではいけていない。10年後に石油の買い手がいなくなるなら、今、千ドルででも買ってもらおうではないか。そんなカードが切れるかもしれない。それは第3次オイルショックと呼ばれるのか。だが、中東諸国は太陽光活用の潜在力が高いこともあり、決断もしないとみる。
太陽の恵みの薄い北国はどうか。地下資源に替わり、充分でなくとも、今後50年程でも国を支えてくれるものは何か。それは半永久的資源ともいえる穀倉地帯だ。隣国にある。そこを手に入れ国内を安定させ、人材が国外に流出し続けている流れを止めて、国民に希望と働く場所を与えようとすることが、自分の先が見えてきた為政者の動機だと思っている。男と同じ誤った姿勢で、You play with the cards you’re dealt(配られたカードで勝負するしかないのさ・・スヌーピー)。できないなら、過去の栄光を忘れ、地道に生きる。でも、それを多くの国民は支持しないことを知っているからこそ、その為政者は今の判断をし続ける。
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