「発電用石炭、価格3倍超」(2022.8.19日経)
(概略)日本の需要家である日本製鉄の発電用石炭の大口契約価格が、1年前の約3倍超の1トン375ドルと過去最高になった。
また、
「エネ高騰、中東で資源外交」(2022.8.19日経)
アジア向けのLNGのスポット価格は最近は100万BTU(英国熱量単位)あたり50ドル近くになった。平年の夏の10倍に近い。
まさに資源の売り手市場。
構図は、ロシアのウクライナ侵攻に伴い、
脱ロシアによる先進国たちのロシア以外からの資源の買いあさりで、
石油・ガス、石炭など、ロシアの財源となっている資源価格の高騰となっている。
高くても量を確保したい先進国たちの金に任せた資源略取と思う。
ロシアの資源価格だって、指標となる価格の高騰に伴い同じように上昇しているようで、
そもそも、
(ロシアから欧州への)「パイプライン供給がゼロになった場合、埋め合わせるには世界のスポットLNGのほぼ全量が必要」という。現実的でないのは明らかだ。
と「ガス不足欧州 思わぬ「援軍」」(2022.8.15日経)の中にありました。
高いお金を払えない国々は、
国内の安定のために、親ロシアの姿勢をとり、
先進国が買わないロシアの資源を買っている。
それは致し方ない選択だ。
それでも以前よりは割高だと思う。
ロシアの資源は好きなように輸出させて、
国際競争の中で、グローバルに通用する価格で取引したい。
それが、つまるところは、ロシアの資源輸出の額の減少につながっていくと思っている。
ロシアの得意な資源は国際競争に曝し、それ以外について制裁を科す。そのようにはできないのかなあ。
「ロシアGDP 5期ぶり減」(2022.8.14日経)の中で、
特に輸入依存度が高い自動車業界は制裁で苦境に陥った。 略
6月のロシアの新車販売は前年同月比82%減と大幅に落ち込んだ。7月も75%減だった。
とありました。
制裁は確実にロシア国民に効いています。
国内の不満をかわすため、侵攻などで国外へ目線を移させても、
消費が低迷せざるを得ない状況なら、いくらかの目くらましがあっても、
国民の支持は政府への失望に変わっていく。
国連の事務総長さんが「ウクライナ停戦「困難」長期化を懸念」(2022.8.9産経)とありましたし、
原油の高止まりで、原価の高いシェールオイルも生産出来たり、軍需産業が忙しかったりの米国や、資源の「爆買い」や転売などの中国は、内心で歓迎しないようにも思いますが。
そろそろ、メンツは横に置いといて、停戦できないかなあ。
そんなことをおもってしまいました。
「おもし=新聞記事などを読んで、おもってしまったことです。)」