印象深いそのお姿。
10歳ぐらいの時(半世紀以上前)の記憶。
幼馴染とやっていた資材が置いてあった広場でのキャッチボール。
広場近くにある同級生の家のおじいさんが広場の端あたりに歩いて来られ体操を始められた。
そのお姿は、ふんどしいっちょう。
前は布が垂れ下がっていたから、いわゆる越中ふんどしというようなものだったか。
おいっちに、おいっちに と
からだを振ったり曲げたり伸ばしたり。
顎の長くて白いひげやふんどしの布が揺れていた。
いくらか距離があったものの、
無性におかしくて、
キャッチボールどころではなくなり、
声を上げて笑うのも憚られて、
おかしくておかしくて。
とても苦しかった。
先日、
そのおじいさまのその時のご年齢が判明した。
なんと、
今の僕の年齢と同じ65歳。
(その時、僕が10歳ならば。)
うう~ん。そうか。
今の僕が同じようなことを自宅の近くの人も目もあるところで行えば、
露出狂として通報される可能性大。
どうしてもしたいなら、海岸の砂浜まで出てやるならば、まだいい?
しかし、役者が違うなあ。
僕も、頭髪は薄くなっているものの、
黒いところも多く、あごひげも伸ばしていないしあまり白くもなっていない。
苦労の深みが浅いのか。
人にわざわざ見せるものでもないけれど、
褌自体は気持ちよくて好きだ。
体操の効果があったのか、
そのおじい様は、その後20年ほどお健やかで居られたそうです。
あれから半世紀ではなく、
それを越えて、
四半世紀×3 ぐらい時が経過しているときに、
僕が生きていて、白髭が似合うようになれば、
どこかでやってみようかなあ。
ふんどしいっちょうでのたいそうのようなこと。
それを見たどこかの小学生は笑ってくれるだろうか。
おかしくておなかの筋肉が痛いと言ってくれたら、これも一つの冥利に尽きること。
そんなことをおもってしまいました。
「おもし=新聞記事などを読んで、おもってしまったことです。」