嫌気性細菌。
その生き物は、普段目にする生き物たちの大先輩。
しかも、ヒトの健康に大変役立っているそうです。
「腸内細菌 大事にして健康長寿」(2022.9.24朝日)のなかで、
母乳に含まれるオリゴ糖は、ヒトが分解・吸収できませんから、赤ちゃんにあげているというより、腸内細菌にあげているわけです。
大腸ではほぼ無酸素となります。
嫌気性細菌は酸素がない動物の体の中に居場所をみつけたんですね。
ヒトの細胞は37兆個といわれています。しかし、それを超える100兆個もの細菌が、腸内に住んでいます。
腸内は嫌いな酸素がなくて、自然とエサがやってくる、腸内細菌にとって絶好の居場所なんですね。
ビタミンなどの栄養素をつくったり
「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンなどの神経伝達物質もつくります。
などとあります。
地球上で、生命の大絶滅が5回あり
(現在6回目が進行中との意見もあります。)
何回目だったか、酸素が発生したことによるものでした。
酸素のない大気中に、ストロマトライトたちによる酸素供給がなされ、
生命の大先輩である嫌気性の生物たちは、海底など、酸素のあまりないところで生き延びてきています。
しかい、海底など、遠いところの話ではなく、それが、自分のおなかの中にある。
おもしろい。
なお、
嫌気性代謝では十分なエネルギーが確保できないため、
多細胞生物の嫌気性生物はほとんどいないそうです。
酸素を用いる代謝があってはじめて、カンブリア爆発などの、
生物の、目に見える多様性が、
(実際に目にしたわけではありませんが、化石の写真などです。)
まさに、爆発したということなのでしょう。
しかし、
いくつかの嫌気性細菌は、破傷風菌による破傷風毒素や、ボツリヌス菌によるボツリヌス毒素のような毒素を産生するということで、とても恐ろしい。
半世紀前に、畑に穴を掘って、戸板で蓋をした秘密基地をつくりました。
(秘密でも何でもないのですが、自称の基地です。)
その際、爪に土が入って、化膿して、とてもとても痛い思いをしました。
医者に行って、爪の半分ほどを取り、化膿した部分を消毒していただいたと思います。
普段、酸素のない土中など、あまり素手で触れてはいけません。
腸内だって、いつも平和な環境ばかりではなく、
ヒトは下痢をして、腸内は洪水になってしまうこともあるでしょう。
細菌の皆さんも、流されてしまいます。
どこかに流されない秘密基地が必要です。
私は、そこは、虫垂だと思っています。
虫垂は嫌気性細菌の秘密基地。
虫垂は大腸の始まる盲腸にあり、そこから、細菌たちがにじみ出てきてくれる。
流されても、しばらくすると、また増殖してくれる、そのタネの居場所が虫垂ではないかと、
勝手に考えています。
おなかも、共生の場。
ヒトは、ヒトの体だけで生きているのではない。
そんなことをおもってしまいました。
「おもし=新聞記事などを読んで、おもってしまったことです。)」