子供の頃に、かくれんぼして遊びました。
いくつもあった大きな木桶の後ろに隠れたものでした。
もう、60年近く前のことになるのかな。
「巨大おけを絶やすな!」竹内早希子さん(著)が(2023.4.15朝日の書評)で紹介されていました。
高さと直径が2メートルはある、人が入れるくらいの巨大な木桶
一度作れば100年から150年は使える
かつて木桶は酒蔵が注文し、
20~30年後にバラされて醤油の蔵元で使われた。
さらに同じ桶は味噌づくりにも受け渡され、
1世紀以上にわたって活用される
各々の蔵の微生物がすみ着き
などとありました。
近所の造り酒屋さん。
少し関連:朝日新聞「声」に掲載していただきました。
いつのころからか、大きな木桶が、大きな金属のタンクになっていた。
子どもの目線からすれば、とても大きかった木桶
タンクは少しスマートのよう。
(木桶は底部よりも上の方が直径は大きく見え、タンクは下も上も同じようなので、そう見えたのかな?)
タンクになってみると、お酒をたしなむ年齢にもなかった子供ながらにして、なにか、寂しさを感じてたなあ。
使われなくなった木桶が空き地に放置され、くだんの、子供の遊びに使われた次第。
その後、記載のとおりのように、醤油蔵や味噌づくりに活躍してくれていたのであれば、これは、少し胸を撫で下ろす。
でも、そんな時代ではなかったのだろうなあ。
箍が外れたり、緩んだりして、桶の木が自然に朽ちていたものもあったようだし。
住みついていた微生物も、酸素を含む大気に晒され、どこかに行ってくれたのか?
関連:酸素のなかった時からの古細菌の末裔のひとつが僕(おもしー281)
隣の県の醤油蔵の木桶醤油の香りがとてもよかった。
買いに行かれた方が、いかにも醤油づくりのおじさんから買った と 言っていてけれど、
いかにも醤油づくり の おじさん とは、どのような おじさんなのか?
木桶のようにほのかに人間臭さが薫り高いのか。
酸素のない世界で馥郁とする菌たちのように、寡黙な仕事師なのか。
それとも、醤油のように、色黒い方なのか。
そこでは、商品名にあるとおり、木桶で醤油を仕込んでおられるのでしょう。
おじさんもお元気で、
(64歳の僕が、オジサンと申しあげるのも、失礼とは思いますけれども、)
木桶も息災で役に立っていただけることを。
そんなことをおもってしまいました。
「おもし=新聞記事などを読んで、おもってしまったことです。)」