誰しも、自分の預金が危うくなれば、引き出して、
紙幣などの現金と呼ばれる紙にするか、
危うくなっていると思うバンクから、まだ大丈夫そうなバンクへ、預金先を変える。
若しくは、ソブリンまで信用が薄いと感じるなら、紙からモノに変える。
「後手に回る金融安全網」(2023.4.18日経)では、
08年秋に発生した過去最大の米銀破綻となったワシントン・ミューチュアル・バンクの場合、約2週間で総預金量の1割が引き出された。
SVBは2日で預金の8割が抜けかねない想定外のスピードだった。
金融不安の収束にはかなり時間がかかる可能性がある。
などとありました。
僕は、金融安全網というよりも、
バンクのシステムそのものに対する不信感の拡がりであり、
金融不安の収束という段階ではないと思っている。
タイトルにした、
「取り付け騒ぎの起こらない市中銀行」というのは、
取り付けを行う必要がない預金のみの銀行で、
日本で言えば、預金保険の対象になる元本1000万円までしか預金を受け付けない銀行であれば、預金全体が、保証されるので、誰も、急いで取り付けに行く必要はない。
逆に言えば、
取り付けされる銀行は、日本でも米国でも、預金者の預金額が保証の範囲を超えている、そして、銀行に受け入れられている預金額でのその割合が高ければ高いほど、
なにかあれば、
記事にあるとおり
「信じられないほど不意を突かれた」
米連邦準備理事会(FRB)で金融監督を担当するバー副議長はこう振り返る。
とありますが、
なにか、とても、古臭い。
2日間で預金の8割が流出するならば、
それに耐えられる銀行は、都市銀だろうが地銀だろうが、
存在しないと思っている。
でも、そんな、今の時を生きていて、
それを、これもまた時代のスピードに合わないような古臭い表現ながら、
そんな時代。
いっそ、市中銀行は、預金全額を保証する。
若しくは、保証される預金額までしか受け入れない。
それを超える預金を受け入れるのは、中央銀行。
実務は、中央銀行から業務委託を受けている市中銀行が担う。
日本人なら、日本銀行の口座を、地元銀行の窓口で作れる。
そんなことをして、何か弊害があるのだろうか。
少なくとも、日本全国の銀行で、取り付け騒ぎは起こらない。
何時間も窓口に立って待てないお年寄りにも優しい。
今日の日経新聞14面は全面広告。
楽天銀行さんでした。
「店舗を持たないデジタルバンクだからこそできる」
とあります。
立派な店舗や大勢の行員を、預金者の目に映らせ、
さも、信用力が大きいのですよと虚勢を張るように見えてしまうけれど、
そんな固定費は、これからますます大きなリスクになるのでは。
そんなことをおもってしまいました。
「おもし=新聞記事などを読んで、おもってしまったことです。)」